結婚式の衣装といえば、洋装のウェディングドレスが定番ですが、伝統的なスタイルである「和装」も根強い人気があります。

挙式・披露宴の前半は洋装、お色直しは「和装」というようにどちらも希望される方が全体の8割近くにのぼると言われていますが、伝統的な「和装」のみの結婚式にこだわる方もいらっしゃいます。

今回は、「和装」結婚式の魅力について詳しくご紹介していきます。

和装婚のご予定が無い方でも、「和装」は日本の伝統的なスタイルとなりますので、ぜひ豆知識として参考になさってください。

1. 「和装」結婚式の種類

厳格なイメージが強い和装婚ですが、実は和装婚の中にもいくつか種類があります。

日本古来の格式高いスタイルからアットホームなスタイルまで様々ですので、一つずつ見ていきましょう。

①神前式(しんぜんしき)

おそらく和装婚で一番最初にイメージされるのが「神前式」ではないでしょうか。一般的には神社で執り行われることが多く、日本古来の神々の前で夫婦の誓いを立てる格式高いスタイルです。

式の流れも古来から伝わる儀式が今でも採用されており、三々九度の盃を交わしたり「二礼二拍手一礼」の作法にのっとった玉串拝礼(たまぐしはいれい)で夫婦の契りを結ぶなど、日本人であることを改めて感じられる婚礼スタイルです。

お二人のご縁だけでなく、「家と家との結びつき」を大切にする風潮が今もきちんと残っているのが「神前式」の特徴です。

②仏前式(ぶつぜんしき)

こちらも日本古来の婚礼スタイルですが、神様ではなく、仏様と両家のご先祖様の前で結婚の誓いを立てるのが「仏前式」です。

お寺で執り行われることが多く仏教の教えに基づいて進められるため、厳かで神秘的な雰囲気を好まれる方におすすめの婚礼スタイルです。

参列者は基本的に親族のみとなるケースが一般的ですが、最近では和装婚人気の高まりもあって、近しい友人を招待できるお寺も増えてきています。

近年では宗派間の縛りは徐々に減ってきているものの、「仏前式」を挙げる場合は両家の宗派を事前に確認しておくとよいでしょう。

③人前式(じんぜんしき)

和装・洋装ともに「人前式」は、神様ではなく参列者に対して誓いを立てる婚礼スタイルです。

「神前式」や「仏前式」よりも和やかでアットホームな雰囲気であるのため、ご招待客の中に小さなお子様がいらっしゃる場合や、少しカジュアルに結婚のお披露目をしたい花嫁・花婿様におすすめです。

「神前式」や「仏前式」は宗教的な要素も含まれるため、宗教色や決まった形式を好まない方は「人前式」を選ばれます。

また、花嫁・花婿様が自由に「誓いの言葉」を決められたり、花嫁のお母様に最後のお仕度を仕上げてもらう「筥迫の儀(はこせこのぎ)」など、自由度が高くお二人のオリジナリティを出しやすい点も人気の理由です。

2. 結婚式で人気の「和装」衣装

一口に和装といっても、白無垢や色打掛など様々な種類の衣装があります。

それぞれの衣装に特別な意味が秘められているのが「和装」の魅力でもあるため、順番にご紹介していきたいと思います。

①白無垢(しろむく)

白無垢は、平安時代から婚礼の際に着用されていたと伝えられている日本古来の正装で、最も格式高い衣装です。

新しい家に嫁ぐにあたり「何色にも染まっていない真っ白な状態でお嫁に行く」という意味があり、古来から結婚式では白が使われてきました。

日本では「黒髪に真っ白な衣装をまとい、赤い口紅をひいた花嫁姿」が最も美しい花嫁の姿として古くから伝わってきました。

②色打掛(いろうちかけ)

絢爛豪華な色打掛は、かつては武家の正装として生まれた婚礼衣装でした。

美しい娘をお嫁に出すこと当時の武家のステータスでもあったことから、花嫁衣装もどんどん煌びやかに発展を遂げました。

和装の小物として今でも受け継がれているものに、「筥迫(はこせこ)」や「懐剣(かいけん)」があります。

嫁入り道具として、お守り代わりに送る「筥迫」。武家の妻として恥じぬよう「いざという時には自分の身、そして大切な人の身を守りなさい」という意味合いを持つ短剣が「懐剣」です。

どちらも武家の母から娘へと送られた嫁入り道具が、今でも小物として残っているというのは素敵ですね。

③引き振袖(ひきふりそで)

白無垢ほどかしこまらず、色打掛よりも個性的な和装といえば引き振袖です。

通常着物は誰が着ても丈を調節できるよう長めに仕立てられていますが、引き振袖は「花嫁のためだけに仕立てられた衣装」としておはしょり部分が無く、衣装を着る方の背丈にぴったりと合わせて仕立てられた特別な着物です。

白無垢や色打掛のように、着物の上からさらに重たい羽織を纏わなくてよいので、長時間着用する場面ではおすすめの衣装です。

3. 「和装」結婚式の魅力

実際に「和装」で結婚式やフォトウェディングを挙げた方は、どのようなところに魅力を感じていらっしゃるのでしょうか。以降で詳しくご紹介していきます。

①日本ならではの衣装

ウェディングドレスは世界中で着用されていますが、「和装」は日本人ならではの民族衣装です。

「和装」の華やかな格式の高さに加えて、日本人らしさを感じることができる点を魅力に挙げられる方が多くいらっしゃいます。

②洋装よりもアレンジがしやすい

洋装と違い、襦袢から打掛まで何枚もの布を重ねて着付ける「和装」は、重ねる襟の色や帯の柄、小物のデザインなど自分で選べるアイテムが多いため、アレンジがしやすいのが特徴です。

③身体のラインが出ない

肌の露出が少なく、女性らしいシルエットを敢えて隠すスタイルの「和装」は、身体のラインを出したくない方や授かり婚の方にとっては非常に魅力的です。

また、年齢的にドレスに抵抗があるため「和装」を選ばれる方も中にはいらっしゃいます。

4. 「和装」結婚式の注意点

魅力たっぷりの和装婚ですが、実際に「和装」で結婚式・披露宴・フォトウェディングを挙げてみたからこそわかる落とし穴もありますので、あわせて確認していきましょう。

①帯の存在感

「和装」と言えば金銀の刺繍が施された華やかな帯が特徴ですが、実は披露宴で高砂(たかさご)に着席する際にこの帯が背もたれにあたってしまうため、「長時間椅子にもたれることができず辛かった」という花嫁様が意外と多くいらっしゃいます。

披露宴の間、背筋を伸ばしているのが辛そうな方は、途中で洋装にお色直しをしたり、「和装」はフォトウェディングのみにするなど、着用時間を限定してしまうのも一つの方法です。

②会場の段差

バリアフリー化が進んでいる教会やチャペルでの洋装婚と違い、昔からある神社やお寺などを会場にする和装婚は、まだまだ会場内の段差が多いのが実情です。

普段着なれない着物を着ての段差は、負担になるケースがあるので注意が必要です。

③夏場の暑さ

「和装」の魅力として、たくさんの布を重ねることで表現される華やかさが挙げられますが、夏場はやはり暑いため、挙式中に具合が悪くなってしまったり、汗が止まらなくなってしまう花嫁様も多くいらっしゃいます。

和装婚の場合は、季節や会場の空調設備も事前にしっかりと確認しておきましょう。

5. 結婚式で実際にかかる「和装婚」費用

ホテルやゲストハウスで行う洋装婚と異なり、神社やお寺を使わせてもらう和装婚の場合は費用のイメージがつきにくい、という方も多くいらっしゃいます。

神前式の基本的な儀式は「御初穂料(おんはつほりょう)」に含まれますが、境内を参列者と歩く「花嫁行列」はオプションの場合が多いので、事前に確認が必要になります。

また、会場によっては神主様や巫女さんへの御礼として別途「御玉串料(おんたまぐしりょう)」の奉納が必要な場合があります。

神社にもよりますが、神前式の御初穂料の相場が5万円~20万円程度、衣装や披露宴にかかる費用を全て入れても、100万円~300万円前後が一般的な費用相場ですので、洋装婚の相場である350万前後よりはリーズナブルと言えるでしょう。

6. まとめ

「和装」結婚式の魅力とおさえておきたい基礎知識をご紹介してきましたが、いかがでしたでしょうか。

日本ならではの挙式スタイルである和装婚についてご紹介してきましたが、挙式や披露宴だけでなく「ウェディングフォト」という形で「和装」を楽しむ方も多くいらっしゃいます。

スタジオルミナスでは、豊富な白無垢・打掛を取り揃え「和装」での充実した撮影プランをご用意しています。こだわり抜いた撮影セットを背景に、華やかなお二人の姿を「写真」に残すお手伝いをさせていただきます。

「和装」でのフォト撮影に関する質問などございましたら、お気軽にご相談ください。

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